インプラントに必要な歯科理工学
歯科医療において、材料および機材は近年めまぐるしい進歩を続けています。同時に、CAD/CAMをはじめそれら材料の加工方法も大きく変革しています。その評価方法、取扱い方および従来の素材との相違点を口腔インプラント治療で多用される材料を中心に歯科理工学的に解説します。また、口腔インプラントは体内から体外へ貫通して存在し異なる組織に接触して存在し、大変特殊な状況で機能しなければなりません。その中で臨床的にオッセオインテグレーションの獲得と長期の機能期間が求められています。材料と生体とを別々に観察するのではなく、材料による生体反応として捉えることの重要性を最近の我々の研究成果とともに示します。それらを踏まえ、医療品・医療機器等法のクラス分類との関係を解説します。
デジタル技術の進歩は、インプラント治療にも大きく寄与しています。検査・診断から上部構造の製作までそれぞれの工程はデジタル技術の応用が可能で、安心で安全な環境を提供できるようになっています。一方で術者側は、デジタル技術に過度に依存することが無いようにすることが重要です。インプラント治療においてのデジタル化により改善できたことを整理し、同時にそれらのシームレスな環境が整っているのか、デジタル技術の現状を含め解説します。
【講師】 片岡有先生
【学会活動】
公益社団法人 日本口腔インプラント学会 基礎系指導
一般社団法人 国際歯科学士会(ICD)日本部会 フェロー
一般社団法人 日本デジタル歯科学会 幹事
一般社団法人 日本歯科理工学会 会員
【略 歴】
2004年3月 昭和大学歯学部卒業
2008年3月 昭和大学大学院歯学研究科修了
2009年12月 昭和大学歯学部口腔生化学教室 助教
2010年11月 昭和大学歯学部口腔病理学教室 助教
2011年4月 昭和大学歯学部歯科理工学教室 助教
2012年4月 昭和大学歯学部歯科保存講座歯科理工学部門(講座再編) 助教
2017年8月 昭和大学歯学部歯科保存講座歯科理工学部門 講師