歯科インプラントの流れ

(1) 検査と計画

虫歯や歯周病の有無、咬み合わせや顎関節などの状態の確認、CTやレントゲンを使用した歯根状態や顎骨の厚みや高さなどの確認等、口腔内の状態を立体的に把握します。
アレルギーの疑いがある場合は、アレルギーテストも行います。
インプラント治療が外科的な手術が必要なため口腔内のみならず既往歴や病歴、血液検査により患者様の健康状態を把握しておく必要があります。
また、血液検査を行い全身の機能の状態や平常時の健康状態の確認をします。

その後、シミュレーションシステムを使い、使用するインプラント体の角度や長さなどを細かく分析し、患者様に合った治療計画を立てていきます。患者様に同意をいただいてから治療をスタートさせます。

(2) インプラント手術

歯茎を切開して顎の骨に歯の土台となるインプラント体(人工歯根)を埋め込みます。局所麻酔を使用しますので、術中の痛みはありません。インプラント体が定着するまで仮歯を装着します。手術時間は1~3時間程度で、入院の必要はありません。

(3) 定着期間(待機期間)

手術後インプラント体と骨が結合(しっかりとくっつく)するまでの期間を置きます。定着期間は骨の状態など患者様や製品によって異なりますが、一般的に3か月~6か月程度ですが、定着が早い製品を使用すると4週間程度です。

(4) アバットメントの連結(2回法の場合)

インプラント体とアバットメントを連結させるために上部の不要な部分の骨を削ります。その後インプラント体とアバットメントを連結させます。アバットメントは歯茎の上に出ている状態になります。
※インプラント治療の1回法の場合は、インプラントとアバットメントが一体となったインプラント体を使用するため、このアバットメントの連結手術は不要です。

(5) 型取り

インプラント体の型取りを行い上部構造の土台を作ります。被せ物の材質や形、色等を細かく決定し、患者様の同意を得たうえで作成いたします。

(6) 人工歯の取り付け

かみ合わせをチェックしながら最終的な人工歯を取り付けてインプラント治療は完了します。

(7) 定期的メンテナンス

インプラント術後は定期検診を行います。定期健診では、口腔環境のチェック、咬み合わせのチェック、歯茎の状態、汚れのチェックなどを行います。
定期メンテナンスをするかしないかによってインプラントやアバットメント、上部構造の寿命が大きく異なってきます。
インプラントと骨の間には、通常の歯と骨の間に存在するクッションや細菌を防御する歯根膜がありません。そのためインプラント歯周炎になったり汚れがたまり不衛生になったりするリスクがあります。最悪の場合は、インプラントを抜く必要が出てくるケースもあるため定期的なメンテナンスは必ず行うようにしましょう。