ストローマンインプラントの基礎と応用


イベント詳細


塩田真准教授

【抄録】

ストローマンインプラントの基礎と応用

ストローマンインプラントは最も歴史のあるインプラントの一つです。1974年の臨床応用開始から40年以上が経過し、現在の世界シェアはNo. 1です。開発当初はITIインプラントという名称で市場に供給されていましたが、現在ITIは学術団体(International Team for Implantology)に引き継がれています。

ストローマンインプラントには一回法タイプのTissue Levelインプラントと二回法タイプのBone Levelインプラントがあります。また、現在テーパードタイプのBLTインプラントも供給されています。

ストローマンインプラントの特徴として、表面性状、インプラント−アバットメント間の結合様式、材料素材があげられます。

ストローマンインプラントの表面はSLA(Sand-blasted, Large grit, Acid-etched)が基本で、現在では生理食塩水浸漬保存により経年劣化を防ぐSLActiveもあります。サンドブラストと酸エッチングを組み合わせた粗面加工によるマクロラフネスとマイクロラフネスの組み合わせは細胞増殖と分化に有利に作用するとされています。

インプラント−アバットメント間の結合には、テーパー付きのインターナルコネクションが採用されています。Tissue Levelインプラントではsyn-Octaコネクション、Bone Levelインプラント、BLTインプラントではCrossFitコネクションと呼ばれる結合様式です。テーパー付きのコネクションによってインプラントとアバットメントの結合は強固になり、マイクロムーブメントが減少し骨吸収のリスクが減少すると考えられています。

ストローマンインプラントの素材にはチタンとジルコニウムの合金であるRoxolid®が採用されています。Roxolid®は純チタンの生体適合性を残したまま、機械的強度を向上させた素材で、ナローインプラントやショートインプラントの応用を支えるものです。

ストローマンインプラントの臨床応用はITIによって検証され、信頼性を持った診療ガイドラインが提唱されています。今回、ストローマンインプラントの概要を説明し、実習を通してその理解を深めたいと考えています。

 

【塩田先生 略歴】

塩田真

現職      東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科

インプラント・口腔再生医学分野准教授

 

昭和55年            東京医科歯科大学歯学部      卒業

昭和59年      東京医科歯科大学大学院歯学研究科 修了

昭和63年         東京医科歯科大学歯学部歯科補綴学第二講座助手

平成  8年        文部省在外研究員ジュネーブ大学出張

平成  8年                  東京医科歯科大学歯学部附属病院インプラント治療部助教授

平成16年4月         東京医科歯科大学大学院インプラント・口腔再生医学分野   准教授

International Team for Implantology  Fellow

日本口腔インプラント学会会員 指導医,専務理事

顎顔面インプラント学会会員 指導医,運営審議委員

バイオインテグレーション学会会員 理事

日本補綴歯科学会会員 評議員

日本歯科CAD/CAM学会 評議員